室戸は神祭シーズンが一番アツい!~吉良川御田八幡宮の秋祭り~ | 旅と暮らしを楽しむ かなの自然体験記
更新日: 2017.10.13  カテゴリー: 国内旅行

室戸は神祭シーズンが一番アツい!~吉良川御田八幡宮の秋祭り~

吉良川の神祭(秋祭り)

室戸は神祭シーズンが一番アツい!

こんにちは!室戸市地域おこし協力隊の橋本(@khashimoto1105)です。

わたしが住む、高知県室戸市には今もたくさんのお祭りが残っています。
室戸の人は秋祭りのことを神祭と呼びます。(「神祭」と書いて「じんさい」。)

この神祭シーズンは室戸がもっともアツくなる時期で、市内各地で特色のあるお祭りが開催されます。これが本当に地域ごとに全然違ってておもしろいんです!

それぞれのお祭りについては室戸市のHPでかんたんに紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。

 室戸市役所HP 平成29年度 秋祭日程 



ほんとうに数が多いので、室戸に移住してきて1年半ではまだまだ神祭を見尽くせません!

なので今回はわたしの住む、室戸市吉良川町の秋祭りを紹介したいと思います。

概要【御田八幡宮 秋の例祭】

吉良川の神祭は、毎年10月第二土曜日、日曜日に行われます。
土曜日の宵宮と日曜日のの昼宮からなり、お舟と呼ばれる船型の山車1基と花台と呼ばれる山車4基が町内を巡行します。五穀豊穣や家内安全などを祈願するお祭りなんだそう。
かなり古くからのお祭りです。

御田八幡宮

 

吉良川の神祭の由来

御田八幡宮は、明応5(1496)年の棟札も残る神社で、吉良川町の中央部に鎮座し、吉良川町の傍士、上町、東町、中町(下町)、西町の5地区を氏子域とする。

秋の例祭は、神祭とも呼ばれ、傍士がお舟をだし、上町、東町、中町、西町が花台をだす。この行事の起源ははっきりしないが、かつて吉良川町北部の北村という場所から現在地へご神体を船に乗せて移した様子を再現したのがこの行事であるといわれている。

傍士(ほうじ)地区のお舟

傍士地区からはお舟

わたしが住むのは吉良川町の傍士(ほうじ)地区。傍士からは舟が出ます。

集会所前の傍士のお舟

お舟は、舳と艫が大きく反り返った長さ約5メートルの朱塗りの舟で、周囲に胴幕、天井に紅白の天幕を張る。内部の神棚には満潮時に海から拾ってきた小石を祀り、艫に吊した桶にも小石と海水を入れる。

海水などは2日目の早朝、海まで取りに行きます。

よく見てみると細かいところまで、舟の装飾がすてき。お祭り関連のものはとても凝っていますね。
吉良川傍士のお舟の模様

吉良川傍士のお舟の装飾

御田八幡宮で花台が 舞う宵宮(よいみや)

提灯をつけた花台

宵宮ではお舟は出ず、傍士の人々による舟歌の奉納が拝殿で行われます。
また、昼に町内を巡行した花台は夜、御田八幡宮の境内まで来、花台を担いで、まわす「チョーサイ舞」を奉納します。

吉良川御田八幡宮で舞う花台


これがすごい迫力!

花台は軽自動車ほどの重さがあるそうで、バランスもうまくとらなければきれいに舞いません。でもきれいにまわった時には、130個ほどつく提灯に火がともったまま、遠心力で広がり本当にきれいです。

華やかにお舟と花台が映える 昼宮(ひるみや)

傍士の八幡宮のぼり旗

昼宮では、早朝からお舟を先頭に4基の花台が御田八幡宮まで巡行する。

お舟には海水や海の小石が祀られ、花台には花と呼ばれる数千本の造花が飾り付けられている。御田八幡宮の境内に着くと、お舟と花台を担ぎ上げてゆっくりと回す笹舞が奉納される。

その後、浜に設けられた御旅所まで神輿が渡御すると、お舟と花台も付き従い、御旅所で笹舞が奉納された後、花台に飾りつけられた花が縁起物として人々に配付される。

神輿が還御した夜には、再び境内で花台のチョーサイ舞などが奉納される。

昼宮はまず、神様を迎えに4基の花台がぞくぞくと傍士の集会所に集まってきます。子どもたちも舟の周りではしゃぎながら、花台の到着を待っています。

花台が迎えに来るのを待つ傍士の舟

 

傍士の宿に四基の花台が揃うと、「神様を迎える」といって全地区の筆頭小頭と小頭が集まって祝宴をする。

ここから出発して町内を巡行するわけですが、お舟が宿から出発する時は舟唄が歌われます。

子ども花台とお舟

5基すべてが出そろったところで、お宮に向けて出発します。

吉良川傍士のお舟

吉良川神祭りの花台が橋を渡る写真

国道55号をお宮に向けて進んでいきます。
青空をバックに橋の上を並んで渡るようすは、本当に華やか!

 

お舟を先頭に上町、東町、中町、西町の順で御田八幡宮へ巡行する。御田八幡宮では1基ごとに拝殿前に進み出て高々と担ぎ上げてゆっくりと回転させる。これを笹舞という。

浜にもお参り

お宮でのお参りが終わったら、こんどは浜へと向かいます。

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3基の神輿が御旅所である浜宮に渡御し、お舟と花台もこれに付き従う。神輿が浜宮に遷座すると、お舟と花台は再び1基ずつ笹舞を奉納する。

神輿が還御すると、お舟は傍士に戻り、花台はその場で見物人に花を配る。花は御利益があるといわれて神棚や床の間などに供えられる。

その後、花台は御田八幡宮へ向かい、夜は再びチョーサイ舞を奉納する。

その名の通り花台には花が付きます

今年は花台に花が付かない年だったので、花が配られることはありませんでした。花は隔年で付くので来年が楽しみですね。

知ってた?お舟と花台は同じ時期にできたわけではないらしい

ちなみに…

地域の方に教えてもらって知ったのですが、お舟とそれぞれの花台ができた時期は違うんです!

できた順番は、

傍士(お舟) → 上町(花台) → 東町(花台) → 下町(花台) → 西町(花台)

なのだそう。

はじめはお舟しかなかったのですが「うちの集落でもやりたい!」と、花台がどんどん増えてきたそうです。
よくよく見ていると、巡行の並ぶ順番、お宮にお参りする順番などもその順番でした!順番にもちゃんと意味があったんですね~、すごい!!

さいごに

吉良川に引っ越してきてからはじめての神祭。
傍士のおっちゃんたちを中心とするたくさんの方に、いろんなところに呼んでもらって、いろんな話をきかせてもらい、本当に楽しい今年の神祭でした。

こうやってすこし深く地域に入ってみると、祭りにかける想いや、誇りが強く感じられました。

大昔から今までこのお祭りがしっかりと受け継がれていることは、すごく貴重なこと。これからも大事にしていってほしいし、自分も吉良川に住むものとして力になりたいと思いました。


にしても!

男の人がうらやましすぎる!

いつかわたしも参加したいーーー!

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財:吉良川御田八幡宮神祭のお舟・花台行事

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