この記事は、身近な自然を守るボランティア・リーダーを目指す人のための講座「自然観察インストラクター養成講座」を受講したときに、振り返りとして書いたものです。
2015年、大学生だった当時に感じたことをそのまま残しています。
この講座は、自然観察をする上での原点となるような講座でした。
特に、この回は、自然観察に対するハードルを取り除いてくれたものでした。
これを読んで興味の湧いた方は、ぜひ自然観察の世界に飛び込んでみてください。
大阪にいたのでこちらを受講しましたが、みなさんの地域にも自然とふれあえる講座があるはずですよ~
>>自然観察インストラクター養成講座(大阪自然環境保全協会)
この講座で初めて、フィールドへ出てきました。
場所は服部緑地公園です。
公園内のさまざまな自然を観察し、自然観察インストラクターに必要なことは何なのかを学んできました。
大切なのは知識より見る目
今回学んだ重要なことは「自然の知識よりも自然を見る目が大切」ということです。
私は今まで、観察会などでガイドをつとめるためには、膨大な自然に関する知識が必要だと思っていました。
同時に、そんな知識がない自分にコンプレックスを感じていました。
これからどれだけの経験を積めばその知識が得られるだろうと心配していました。
しかし今日、この講座でそんな心配は必要ないということを知りました。
インストラクターとして大切なのは自然を見る視点。
極論、生き物の種名を何一つ知らなくても自然は観察できるのです。
自然観察とは生き物についた名前を覚えることではなくて、命の営みを見ることなのです。
所詮種名はヒトが付けた名前でしかないのです。
どうやって生きているのか、なぜこんな形になっているのか、そんなところに注目することの方がもっと大切なのです。
そして、それを参加者に気付かせてあげるのがインストラクターの仕事です。
インストラクターのタマゴとしてスタートした私は、気付かされてばかりでした。
どんな気付きがあったのか。ここから今日の振り返りです。
地味な花にも注目してみると・・・
公園までの道から観察会はスタートです。
まず目に入るのはきれいに咲いた桜の花。これは誰もが気付きます。
他にも花の咲いている木がある、と先生。
咲いていたのはケヤキ。
風で花粉を運ぶ風媒花、虫や鳥に運んでもらうわけではないので花はとっても地味なんです。
観察したいけれど花がついているのは高い木の枝。
こんな時は地面を探すと落ちた花を観察できます。
じっくり見ると…
雄花と雌花が別々についていること、雄花の数が雌花の数より多いことに気が付きます。
なぜでしょうか?
この気づきと、なぜが自然観察では大事です
ケヤキは風媒花、花粉とばしは風任せ。
たくさん花粉を飛ばしたいから花粉を作る雄花をたくさんつけるのです。
このように生き物のカタチには必ず理由があるのです。
その理由が必ずしも解明されているわけではありませんが・・・
しかし、理由がわからなくてもそれはそれでOKです。
なぜだろうと考えることこそが、自然を理解する一歩なので。
何気ない景色の中にもおもしろいものがたくさん!
落ち葉の中にも・・・
苞(ほう)という若葉を守る部分が落ちています。
地面のぼこぼこは、スズメの砂浴び場。
なぜここで砂浴びするのでしょうか。
ここを境に植物が全然ないけどこれはどうしてでしょうか?
(↑道路の下の地面でした。)
水がないから、が答えですがこういったことは何も遠くへ行かなくても学べます。
乾燥地帯に行かなくても、こうした人工物をうまく使えば学びの機会を作ることができるのです。
比べてわかる
観察をしやすくする工夫にこういったものもありました。
クスノキの落ち葉を並べてみると、個体差がよくわかります。
色の違い、形の違い、大きさの違い・・・
今度はアラカシ。
クスノキの時と違って今度は緑色が多い!
なんとなく落ち葉を眺めているだけではわからないこと、並べてみるとたくさんのことに気づきます。
ここには何種類の植物の葉が並べられているでしょうか。
答えはカンサイタンポポ1種のみ。
こんなに個体差があるんですね。図鑑を見ているだけでは気付けません。
もっと並べてみよう!
講座最後のアクティビティは市松模様の手ぬぐいの上に、集めたものを並べてみよう!というもの。
受講者全員で思い思いに集めたものを並べていきます。
コレクションはこんなふうになりました。
すてき!
こうやって枠の中に入れてみると宝物に見えてきます。
このコレクションは、季節、場所、集める人によって全然違ったものになるそうです。
家の近くの公園とかでまたやってみたいなと思いました。
さいごに
講座の初めに教えてもらった、インストラクターに必要なのは見る目、ということ。
これはすごく難しくってすぐには身につかないと思いました。
でも、いろいろなアクティビティを通して、そんなことはない、誰だってできることだ、そう気づきました。
今日教えてもらった視点を忘れず、自然を見る目を常に持っていこう。
そう思えた、楽しいインストラクター養成講座でした。
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