更新日: 2015.12.11  カテゴリー: 雑記

【書評】グループディスカッションに活かせる!『ファシリテーション入門』は就活に限らず万人におすすめの本

はじめに

ファシリテーションをする機会があるということで、図書館で借りて読んでみました。ちょっとしたテクニックがあれば役に立つかな、と軽い気持ちで読んだのですが、いいこと書いてありすぎで、これ買おうってなりました。話し合いや議論の場ですごく役立ちそうなので、就活でグループディスカッションに不安を覚える学生にもおススメします。

『ファシリテーション入門』の概要

本「ファシリテーション入門」

ファシリテーターとは議論を円滑に進める役割の人のこと。議論を円滑に進めること「ファシリテーション」をするための入門書です。この本に書かれていることは議論の場だけではなく、普段のコミュニケーションにも役立ちます。

印象に残ったところ

印象に残ったところをいくつか挙げていきたいと思います。

考え方の枠組みは人によって違う

人それぞれに考え方の枠組みがあり、自分と同じ枠組みを持った人はいません。自分の枠組みの中で正しく伝えたと思っても相手は相手の枠組みで解釈するので、別の意味になる可能性があります。
 

自分はこう伝えた、と思ってもそのまま伝わってなかったり、反対に相手の言おうとしていることを正しく理解できていなかったりします。

大事なのは相手のいうことを正しくそのまま理解すること

普通、話す聴く考えるスピードを並べるとこうなります。

話す<聴く<<考える

なので、

話を聞いているうちに隙間の時間が出来てしまい、それは使って結論を先回りする想像したり、内容を吟味したりしがち。場合によっては、次にどう答えようかと自分の話したいことを頭の中でまとめて始めます。これではとても聴いているとは言えません。
 

といったことが起こるのです。
これは読んで、自分はこれをよくしがちだな、と思いました。なので気をつけないとなと。

・相手の声だけでなく、表情、動作、眼を見ること。

・相手の言葉を待つこと。

・大事なのは相手の言う通りに話を受けとめ、共感すること。
 

逆に考えたら、
不思議なその人の世界に引き込むような話し方をする人っているじゃないですか。その人たちって、聞かせ上手なのかもしれません。聴き手は 何を意図しているのか知ろうとしながら聞くので。
この人は何を伝えようとしているんだろうと思わせるのが上手なんだと思います。

相手を安心させ本音を引きだす

復唱で相手を承認する
1 話の最後の言葉繰り返す。

2 話の中のキーワードを繰り返す。

3 話は自分の言葉でまとめて返す。

ペースを合わせてから引き込むペーシング

言葉遣い、口調、話すテンポ表情動作姿勢で相手に合わす。
感情的になっている相手に態度で共感する。その後、自分のペースに持ち込む。

コミュニケーションのパターンを合わせるという方法もある。
例えば、論理的に話す人には論理的に答える。視覚的感性が豊かな人には図解で説明する。
直感的な人には、感覚的に表現する。
そうするとあいつは話のわかるヤツだとなる。
 

かみ合わせ、整理する

5章の構造化のスキルーかみ合わせ、整理するのところもよかったです。議論がお互いの主張を正しく理解しないまま進み、かみ合っていない場合があります。そんな時、正しく議論がかみ合うように橋渡しするのはファシリテーターの役目です。論理的な議論に導いていくのです。


テーマを明らかにする

話し手:若い連中の不満は、もはや頂点に達しています。
聴き手:具体的に、どんな人がなんの不満をどれくらい抱えているのでしょうか?

話し手:みんないつも、会社の危機管理能力のなさを嘆いています。
聴き手:みんなって、誰ですか?いつもとは、どういうときですか?

前提となる事実を明確にする

話し手:ウチの会社の悪いところは、誰も責任を取らないことだよ。
聴き手:皆さんにわかるように、それを示す事例をなにかあげてもらえますか?

事実と意見を切り分ける

話し手:ウチの商品に対する顧客満足度は年々低下してきています。
聴き手:それって事実ですか?それとも意見ですか?

言葉の定義を明らかにする

話し手:こういうときこそ、社長にリーダーシップを発揮してもらわないと。
聴き手:今おっしゃったリーダーシップというのは、具体的にいうとどんな行為をイメージしておられますか?
 

などなど…。
なるほど、そういう風にたずねたらいいのか。

まとめ

このように読むだけで非常に参考になる本なのですが、実際やってみないと感覚はつかめません。大学の授業でこのような場がある授業をとって練習してみるといいかもしれません。グループディスカッションなどこういったものは慣れが大切です。

ファシリテーション入門 (日経文庫)

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