【現役必見】地域おこし協力隊|成功するポイントと悩みの解決策まとめ
はじめに
地域おこし協力隊をやっていると、数々の悩みにぶつかると思います。
行政とうまくいかなかったり、地域でトラブルにあったり、将来のことに悩んだり…
ひどいケースでは、協力隊なんて辞めたい!と思ったり…。
今回の記事は、そんな悩める現役地域おこし協力隊に向けて書いた記事です。
地域おこし協力隊のあるあるなお悩み3つを中心に、どのように解決していくか、どうすればよりよい活動が行えるかについて解説していきたいと思います。
新卒でノースキルながらも、試行錯誤してきた体験談です。ひとつの参考にしてみてください!
協力隊応募前の方はこちらもご覧ください。
>>【必須】地域おこし協力隊応募前に確認するべきポイントまとめ
あるある悩み1|行政とうまくいかない
地域おこし協力隊の悩みで一番多いパターンが行政との関係性。
うまくいっているところでも、お互いの立場が違うことによるすれ違いが起きてしまう場合も。
お互いのことを理解して、コミュニケーションをしっかり取ることで解決に向かうパターンは多いです。
上手くいかないなぁと思ったときは、まずしっかりと向き合った上で、それでも解決しないとき、周りの力を借りるのが良いかと思います。
行政には行政のルールがある
まず、理解しておきたいのは、行政には行政のルールがあるということです。
事業の進め方や、予算の組み方、さまざまなルール、役場としてのスタンス…。行政職員には当たり前なことも、私たちからすると当たり前じゃないことも。
なれるまで、なかなかわかりづらい部分があると思いますが、わからないところは聞きつつ少しずつ理解していきましょう。
そういった部分を教えてくれる、地域おこし協力隊向けの研修もあります。参加してみると、活動を進めていく上で役にたちますよ。
また、社会人経験のある方がよく口にする「民間だったらありえない…」という言葉。
そう感じてしまうのは仕方がないかもしれませんが、そこは行政は行政と割り切ってしまったほうがいいかも。
プレーンな気持ちで関わったほうが無駄な消耗は少なく済みます。
新しい環境に飛び込んだのだから、新しい環境のルールを理解するほうが話が早いです。
また、地域おこし協力隊という制度も、理解しておきたいルールのひとつ。
担当の職員さんが、地域おこし協力隊を初めて受け入れる場合、職員さん自身が地域おこし協力隊制度について理解していない場合もあります。
隊員自身も地域おこし協力隊がどういう制度なのか、しっかり理解しておきましょう。
自分自身が困らないためにも、周りに理解してもらうためにも重要です。
参考記事はこちら
>>地域おこし協力隊っていったい何?隊員自身が理解してないのはヤバいよ…【活動やお金で損することも】
他市町村の事例が有効
活動を進めていく中で、行政が保守的過ぎて何にもできない!なんてこともあるかもしれません。
そんな時は、他の市町村の事例を調べて持っていくのが有効です。
自分のやりたいことと、似たような他地域の事例を合わせて説明しましょう。それをやることによって、地域にどんなメリットがあるかを説明することもお忘れなく。
自治体の総合戦略まで意識できていると、通る確率がグンと上がるはずです。
総合戦略は自治体がどんな地域を目指すのかを示したものです。
所属市町村と、県のものがあるので、チェックしておくと活動の方針を立てやすいと思います。
こういったものです
>>まち・ひと・しごと創生総合戦略のページ|高知県
コミュニケーションを大事にしよう
都会の感覚、田舎の感覚。行政の感覚、民間の感覚。地域おこし協力隊制度のとらえ方の違い。安定職と任期3年という置かれた環境の違い。…あげればキリがないほど違いの多い、行政職員と地域おこし協力隊。
こんなにも立場が違うと、すれ違いが起きないほうがおかしいくらいです。
お互いの溝を埋めるためには、コミュニケーションが必要不可欠。お互いに積極的に話し合う機会が大切です。
とはいっても、コミュニケーションが上手く取れないから悩んでるんだ!って方もいると思います。
でも、ちょっとした工夫で、意外と上手くいくこともあると思います。恵まれた環境にあったわたしも、コミュニケーションの取り方には工夫してやってきました。
活動の報告を頻繁にしたり、忙しい時は紙にまとめて渡して置いたり、意見を聞いてみたり…、ほんとにちょっとしたことですが、気を付けると状況は変わるはずです!
詳しくはこちらで紹介しています。
>>行政とうまくやる!地域おこし協力隊の伝え方講座【悩みの原因と対処法を解説】
行政職員との関係に悩んでいる方にはこちらの記事がヒントになると思います。
あるある悩み2|地域とうまくいかない
次によくある悩みが地域住民との関係性ではないでしょうか。
むずかしいですよね。
むずかしいからこそ、地域おこしが大変で、地域おこし協力隊という仕事があるんだと思います。
これに関しては、すこーしずつ仲良くなっていくしか方法はないと思います。
何にもないところから飛び込んで、最終的には卒業後も、地域の人たちと冗談言いながらいろいろな活動をするまでになった、わたしの体験談を紹介します。
どんな地域にも共通する部分があると思います。
地域の求めるものが何かわからない
特に1年目にぶち当たるのがこれ。
地域が何を求めているかわからない。
自分は必要とされていない。
住民は地域活性化なんてのぞんでいない。
そう感じてしまうことがあるかもしれません。
でも、少し待ってください!
地域が求めるものなんて、そう簡単にはわかりません。
なぜなら、住民自身も何を望んでいるのか、言語化できていないから。
そして、地域と一口に言っても住民はひとりではありません。みんなそれぞれ違う考えを持っています。望むこともきっとバラバラです。
地域住民だって思いはあるけど、簡単には口に出せないかもしれませんよね。
ましては、はじめましての人にいきなり思い伝えるのは、ちょっと勇気がいります。
そんなとき、おすすめなのが「地域住民が気軽に話せる場づくり」です。
その場所自体を楽しみにしてくれる人も出てくるし、活動していく上でのヒントや、今まで見えてなかった地域の課題を知ることができます。
>>地域づくりを考えるなら、まずは住民が気がるに話し合える場をつくろう
地域住民と距離が縮まらない
地域おこし協力隊として、地域に入りたてのときは、なかなか住民との距離が縮まらなかったりします。
相手もどう声をかけていいのかわからなかったり、興味がなかったり、そもそも存在自体知られていなかったりします。
人間、よく目にするものには、親近感を覚えやすいものなので、顔を合わせる機会を増やすのが得策です。
はじめは挨拶だけでも、徐々に世間話をするようになり、どんどんと信頼関係が築けていきます。
暇あれば地域を歩き、いろんな人と会話する機会を持ちましょう!
地域の人に理解してもらえない
地域をよくしようとがんばっているのに、なかなか理解してもらえない。協力も得られない。と、いったことも起こるかもしれません。
わたしが協力隊の活動の中で大切にしていたのは、地域住民向けの内向きの情報発信です。
どうしても情報発信というと、外向きばかりに目が向いていきますが、まずは内向きの情報発信を強化してください。
地域おこしは何よりも、地域住民の力が一番大事です。
地域内への情報発信をしっかりすれば、信頼関係も作れますし、活動の仲間も増えてきます。
- 地域活動の仲間がなかなか集まらないと悩んでいる人
- 取り組んでいる活動が地域に浸透していないと感じる人
- 何をしてるかわからないと批判されがちな 地域おこし協力隊
- 地域で自分の存在感がないと感じている 地域おこし協力隊
は、ぜひ下記の記事を参考に、内向きの情報発信をがんばってみてください。
>>情報発信は地域内へが一番大事!現役地域おこし協力隊が実践中の方法5選!
住民とトラブル勃発!!
トラブルが起きたときは、本当にどうしようかと思いますよね…。
一度起きたトラブルは、収拾させるのはとても困難です。そのため、普段からトラブルが起きないように、いろんな気配りが必要です。
とはいえ、起きてしまったものはしかたありません。
- 誠意のある対応をすること
- 信頼できる周りの人に相談すること
- 可能であれば間に入ってもらうこと
をするしかないです。
どうしても解決が難しい場合は、そっと距離を取りましょう。
そもそも、トラブルに発展するということは、相性が悪いことが原因だったりします。
どちらが悪いでもなく、相性が悪かったのかも。そう考えると、ぐるぐると悩み続けることもなくなるかも。
ひとつだけ覚えておいてほしいのは、みんなが敵なわけではないということ。
これだけは覚えておいてください。
あるある悩み3|卒業後の将来が不安
地域おこし協力隊の大きな課題でもある、卒業後の進路。
自分で事業を起こすのか、どこかに就職するのか。
定住に必要な家のこと、事業の準備のこと。やることや考えることは山ほどあります。
ここではひとつの例として、わたしが起業に向けてどのように取り組んでいたか紹介します。
家探しにひと苦労
地域おこし協力隊に限らず、移住者の課題のひとつ、家探し。
自治体によっては、家を準備してくれているところもありますが、任期終了後は自分で家を探さなければならない場合も。
わたしの場合は、協力隊の間は職員用住宅を格安で使えたのですが、任期後は自分で探した家に住まなければなりませんでした。
任期中から、起業の準備がしたかったので物件探しも早めにはじめました。(協力隊1年目の夏には探し始めていたかと思います。)
田舎では空き家はあるにはあるが、なかなか借りれなかったりもします。
なので、家探しは早め早めの行動がおすすめです。
できるだけ多くの役場の人や地域の人に、家を探していることを伝えておきましょう。田舎の家探しは口コミが超重要です!
ここにわたしが家を借りるまでの流れと、借りてからやらなければいけなかったことを、簡単にまとめています。
田舎の家探しってどんな感じが想像できない!という方は参考にしてみてください。大体田舎はこんな感じかな、と思います。
>>ゲストハウス開業目指して古民家へ引越し|借りる手順と借りてからの話
活動と卒業後の準備の両立
協力隊の活動もうまく進みだしてくると、今度は卒業後のことも考えなければいけないタイミングになってきます。3年間は思ったよりも、あっという間に過ぎていきます。
そのため、協力隊の任期中から卒業後の準備をしっかりしていきましょう。
できれば卒業後もやりたいことを、活動にからめることができたら最高です。
わたしの場合は、体験型の宿泊施設を開業したかったので、協力隊の活動も体験イベントをやってみたり、農業体験のホストができるよう畑をやったりしていました。
活動を自分のやりたい事業に寄せていく、というのは卒業後の準備としてとても効果的です。ぜひ、起業を考えている方はこういった工夫をしていきましょう。
地域おこし協力隊は副業ができるので(できない場合は交渉しましょう)、任期中から副業として事業をスタートさせれるとよいですね。
地域おこし協力隊は実験できる期間でもあるので、どんどん挑戦していきましょう。
事業を育てることに似ていますが、メディアを育てていくことも卒業後に役立ちます。
文章を書くことが苦ではない、興味がある、といった方はぜひ任期中からブログをはじめてみてください!
>>地域おこし協力隊は協力隊のブログではなく個人のブログをがんばったほうがいいと思う話
卒業後はどうやって稼ぐのか?
地域おこし協力隊卒業後は、どうやって生計を立てていけばいいのか全然想像ができない!という人もいるかもしれません。そうでなくても、他の地域おこし協力隊がどんな仕事をしているのか気になる人も多いはず。
ここで、他の協力隊たちがどんな仕事をしているのかチェックしてみましょう。
お仕事の例(メインの収入となるもの)
ゲストハウス、漁体験ができる宿、コーヒーのおいしいカフェ、ハウスクリーニング業、ラフティングガイド、畜産農家、精肉屋、林業、ゆず農家、炭焼き職人、リモートワーカー、集落支援員、など。
お仕事の例(サブ収入となるもの)
イベント企画、体験ツアー、民泊受け入れ、農産物の販売、加工品の販売、農家や漁師のお手伝い、ブログ、ライティング、その他ちょっとしたバイトなど。
前職を生かした仕事をやるパターン、協力隊の活動を通して興味を持ったことをやるパターン、自分の好きなことを仕事にするパターンなど、いくつかのパターンがあります。
ここにあるお仕事1本でやっていたり、複数組み合わせたりと、働き方はいろいろです。わたしがやったことがある仕事、周りでやっている人がいた仕事をあげてみました。
協力隊OBOGは、多種多様なお仕事をしているので、先輩の話を聞きに行ってみるとイメージが広がると思います。
地域おこし協力隊をやめたくなったときは…
いろいろがんばってきた。それでもダメだった。
もはや、がんばるチカラなんて残ってない…。
もう地域おこし協力隊なんて、やめたい…。
どうしようかな…。というときはこの章を読んでみてください。
環境の改善が見込めそうなとき
環境の改善が見込めそうなら、手を打ってみてもいいかもしれません。
担当の職員さんがダメだったとき
他の職員さんに頼ってみるのもひとつです。同じ市町村だからといって、全員が同じ対応ではないはず。協力的な職員さんを味方につければ、状況が変わることもあるかも。
所属課が問題だったとき
地域おこし協力隊制度では、同じ市町村内で移籍することもできます。別の課でも協力隊として活動できるのなら、検討してみてもいいかもしれません。同じ市町村なのに、課によって待遇が違う、といったことはよくあることです。
担当地区との相性が良くないとき
もしかしたら、地区を変えてもらうこともできるかもしれません。一度相談してみましょう。
ミッションの都合でやりたいことができないとき
これももしかしたら、ミッションの変更に応じてくれる場合も。どういったミッションならいいのか、卒業後の定住に向けて必要だからとか、地域にこんなメリットがある、なども合わせて伝えられるといいと思います。
こりゃダメだ、ってとき
状況が悪すぎて、個人の力ではどうしようもない。そもそも協力隊をやる場所を間違えていたんじゃないか。
残念ながら、そういった環境というものもあります。
協力隊自身の問題ではなくて、受け入れ側の問題の場合。
そんなときの解決策はただひとつ。
地域おこし協力隊を辞めるしかありません。
ダメだと思ったら、さっさと次を探しましょう。大事な自分の人生を、浪費する必要は全くありません。
自分の人生を大事にできるのは、自分しかいません。
見切りをつけるなら、早いうちに。
自分自身に関わる理由のとき
環境は悪くない、でも自分自身の都合でやめたくなった。
- 地域おこし協力隊の業務より、力を注ぎたいことができた。
- 心身の変化。(妊娠の場合は、休職できます。)
- 家族の都合。
こればっかりは、他の人のアドバイスを参考にするより、自分自身と向き合って、どっちがいいか考え抜くしかありません。
恵まれた環境で活動できていたわたしも、一度協力隊をやめようか本気で考えたことがありました。
>>地域おこし協力隊をやめようかと思ったけど思いとどまった話
いろんな要素を考えたうえで、結局やめなかったのですが、違和感を感じたときは、じっくり考えるタイミングなのかもしれません。
まとめ
地域おこし協力隊の活動は、一筋縄ではいかないもので、悩むこともたくさんあると思います。
でも、地道な積み重ねや小さな工夫で乗り越えられる壁もたくさんあります。悩んだときは一度立ち止まって、小さく動いてみると道が開けるかもしれません。
ただ、どうしても改善が見込めない状況なら、スパッと切る勇気も大切にしてください。
自分の人生を大切にすれば、選ぶべき選択肢が見えてくるはずです。
これから地域おこし協力隊になろうか考えている、という方はこちらの記事も参考にしてみてください。
>>【必須】地域おこし協力隊応募前に確認するべきポイントまとめ
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