地域おこし協力隊の活動心得7箇条 かなはしもとの場合
はじめに
私が地域おこし協力隊として活動する中で見つけた、行動基本指針のようなものをここでまとめてみました。
活動当初から心がけていること、活動を通し学んだこと、先輩協力隊から学んだことをまとめました。地域おこし協力隊の活動は多種多様。とはいえ、共通点もあるので参考になるのではないでしょーか!
1, あくまで軸は自分自身
正直、これが最重要事項です。
自分がないやつに地域おこしなんかできません。
私は起業という目的達成のために都合がいいから地域おこし協力隊になりました。自分のやりたいことがたまたま地域おこしにつながるものだったから、地域おこし協力隊になったタイプです。
>>協力隊になったけど、別に地域おこしがしたかった訳じゃないんですよ
なので、あくまで自分が中心です。
自分は何がしたいのか、何を軸に生きていきたいのか。これがない人は地域おこし以前に自分の軸を見つけるべきです。まずは、自分が大切にしたいこと。その上で地域に求められていることを見失わないのが重要です。
だってそうじゃないですか?
自分の軸、自分が真剣になれること知らないと力も発揮できないでしょ?
で、軸がないとぶれますよ。
何も壮大なマニフェストを掲げなくても大丈夫です。
音楽が好きだから音楽を使った地域おこしをとか、郷土料理に興味があるからそこをからめて地域おこしをとか、なんでもいいです。
地域や行政に言われたこと、なんでもやります!なんなりとお申し付けください!なんてスタンスより、これが好きなんで、これでやらせてもらいます!のほうが絶対いい。
やりたいことやって、結果地域の活性化につながる。そのくらいでいきましょう。
2, 3年後に残るものを
自分がいなくなった後を考えることはとても大切です。地域おこし協力隊がいなくなったら、消えてしまうような取り組みは無駄。意味がない。
いかに3年後も続くものを残せるか。
協力隊なんてあくまできっかけ作りをするポジション。
協力隊が主役になっちゃあねぇ、と思うのです。
とはいえ難しいのは難しい!どうすればそれができるかなんて答えもありません。
けど、以下のことがキーワードになるのでは?と考えています。
「地域主体」「無理がない」「ニーズとマッチ」
まず、地域主体というのは言うまでもありません。はじめは地域おこし協力隊が主導して、何かを始めて良いのですが、それがいつまでも協力隊主導では、3年後も続く取り組みにはなりえません。徐々に取り組みの主体が地域住民になるようにしなければなりません。なかなか難しい事ではありますが、自分よりも地域の人のほうが得意なことを取り入れてみたり、任期をしっかりと公言しておくのも効果的です。
次に、無理がないということ。最初のうちはやる気で何とか大変なこともこなしてしまいますが、その状態がいつまでも続くわけではありません。活動を持続的なものにするためには、無理がないということはとても重要です。
たとえば、イベントの時に料理を提供してくれるおばちゃんたちに、材料費をきちんと渡すとかは最初からきっちりやっておくべきですね。おばちゃんたちはいいよいいよって言ってくれるでしょうが、そこを甘えちゃうよりはしっかりしておいたほうが活動が続きやすくなります。
最後にニーズとマッチしているということ。自分はこうした方が地域の活性化につながるのに、と思うことがよくあるかと思います。しかし、それを地域の気持ちそっちのけではじめてしまうとなかなか軌道に乗りにくいでしょう。
地域をよくしたいと考える住民は、課題に感じている事柄があるはずです。地域のこうしたい、こうなればいいのにの声(時に潜在的)をうまくキャッチできれば、地域の方の協力が得やすく、活動も軌道に乗りやすくなります。
同じ形で残らなくてもいい、せめてプラスのインパクト・遺産を残すことを心がけてやっています。
3, 何のためにやるのか常に考えること ぶれる
ついつい活動に夢中になってしまうと、最初の目的を忘れがちです。目的を見失ってしまえば、もう軸はぶれっぶれですよね。(え、まさか、最初から何も考えず活動してた、なんてのはやめてくださいよ?)
何のためにやるのか、これはしつこいくらいに考えましょう。最終ゴールを見据えることで、無駄な遠回りも避けることができます。また、迷った時にも初心を思い出し、目的を振り返ることで、最適な道を選ぶことができるでしょう。効率よく、効果的に、活動を進めていく上で、とても重要な心得です。
4, 情報発信は内向きこそ大事
もちろん、外向きの情報発信も重要です。でも、実は内向きの情報発信の方が重要ではないかと、協力隊を半年終えたあたりから思っていました。
結局、地域おこしってそこに住んでる地域住民の力が一番大事です。協力を得るためにも、協力的な雰囲気を作るためにも、内向きの情報発信はとても重要です。
地域の方から、○○って書いてたね、○○やってるんだね、そう声をかけてもらえるくらい情報発信をしましょう。そうやって知ってもらえると、何かやるときにも話が早いです。
地域の人に知られていない地域おこし協力隊ってどうなんだ、って私は思いますね。内向きの情報発信も怠らないこと。
5, 見てみる、やってみる、食べてみる
経験してなんぼ。経験してないことは何も語れないっす。
自分が経験することで、それについて一次情報で語れます。これ、大事。~らしいよ、と、やってみたら~だった。どっちの言葉が強いですか?いうまでもないですよね。
経験のおかげで、今まではわからなかった地域特有の話題にだってしっかり入っていけます。そうなんですねぇ、という聞き役から、やってみたら~でした、あれってどうなんですか?と話し役に昇格し、より深い対話ができちゃうわけです。こっちのほうが断然おもしろい。
そして、やりたがりの印象をつけれれば勝ちです。
こいつなんでもやってみたいんだなぁって印象づけることで、経験の機会も恵んでもらえます。そうすると経験値がアップし、できることも、興味のあることもどんどん広がります。そして、またどんどん経験します。スパイラル。このスパイラルを起こしていきましょう。
好奇心こそ地域おこし協力隊の最強の武器ですよ。
6, 今が旬を逃さない
今が旬って必ずあります。これをこのタイミングで、といタイミングを外さないように心がけましょう。それは単純に季節的な旬もありますし、地域のビックイベントだったりもします。地域の人たちの気持ちが盛り上がっている時とかもあり得ますね。特にこういった機運の高まりは一度しかない場合が多いので、すかさず乗りましょう。
やりたいときがやり時です。ホットな時期を見逃してはいけません。
そういった意味では、地域おこし協力隊にはフットワークの軽さ、チャンスにすかさず飛び乗るスピード感が求められますね。
ちんたらやってたら、いろんなものを逃します。
7, やり方は地域によって様々である
最後に、うまくいかないときもこの7ヶ条めを思い出してください。他の地域でサクサク進むような事柄も、場所が変われば全く進まないことも当たり前にあります。地域によって環境も人の性格も違うからです。
商売っ気あふれる地域性もあれば、苦手な地域性もあります。
まとまりやすかったり、まとまりにくかったりも色々です。
得意分野も様々でしょう。
環境、資源、性格、は地域によって様々です。なので、やり方だって地域によって様々です。どんなやり方が最適なのかを考えながら、カスタマイズしていかなければなりません。
地域の特徴といったものは、環境や歴史からも影響を受けているので参考にしてみると活動のヒントになるかもしれません。地域をよく観察して、地域の持ち味を活かすためにはどうしたらいいのかをよく考えてみましょう。地域の人自身が自覚している場合もあるので、この地域はだいたいどんな地域なのか聞いてみるのも良いかもしれません。
また、地域のことを客観的に知りたいという場合は地域診断をするという方法もあります。私の出身校の滋賀県立大学では、副専攻に「近江学士」というものがあって、地域のことについて色々学んでいました。その中で地域診断の手法も学びました。人、気候、生態、地形、4つのカテゴリーから地域のことを調べ、分析します。データを用いた分析をするので、主観ではなく客観的評価をすることができ、この結果を用いることで、説得力を持つ提案をすることができます。
授業の時に使っていたのがこちらの教科書です。
単純に色んなデータの調べ方や、地域のことをするためのヒントがたくさんあるのでおすすめです。私も、仕事場のデスクに置いてあり、気になるときにぺらぺらめくっています。
さいごに
以上、かなはしもとの地域おこし協力隊の活動心得7箇条でした。全部が全部実行できているわけでも、活動すべてが上手くいってるわけでもありません。でも、この心得を頭に入れているかどうかで、ぜんぜん活動の濃さも違うと思っています。
地域おこし協力隊も、みんなそれぞれ自分の指針をもって活動していると思うので、他の協力隊の心得も知れたらおもしろいですね。
7箇条、書いてみた人はお互いリンク張り合いましょ~。絶対おもろいわ、これ。
ということで、長文読んでいただきありがとうございました。
室戸市地域おこし協力隊として日々奮闘しておりますので、こちらもよかったら見てみてくださいね~!それでは!
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