更新日: 2018.09.07  カテゴリー: 環境保全

【調べてみた】台風の被害が大きいのは地球温暖化のせいなの?

地球温暖化のせいで台風被害が増加!?それってホントなの?

はじめに

こんにちは!かなはしもと(@khashimoto1105)です。

今年は日本各地で災害が多く起こっています。自分の地元である大阪も、大阪北部地震や台風21号による被害を受け、他人ごとではありません。

地震は仕方ないにしても、もしかしたら台風は地球温暖化を止めれば被害が少なくなるのでは?と考えた方も多いのではないでしょうか?

今回は、台風被害は地球温暖化と関係があるのか?というテーマで記事を書きました。

  • 勢力の強い台風は地球温暖化のせいなのか?
  • 地球温暖化が進むと、被害が大きくなってしまうのか?

について調べてみました。

それではどうぞ。

台風は近年、多くなっている?

では、はじめに台風の発生数を見てみましょう。

亜熱帯・熱帯地方の海で大量の水蒸気が上昇しできた熱帯低気圧が、発達することで台風が生まれます。地球があたたかくなったら台風も増えそうですが、実際はどうでしょうか。過去と比べて台風の発生数は増えているのでしょうか?

こちらは、気象庁のHPで公開されているデータ(※)をもとに作成したグラフです。
台風の発生数(2017年までの確定値と2018年の速報値)

台風発生数 気象庁HP 台風の発生数(2017年までの確定値と2018年の速報値)より作成

グラフをみてもわかる通り、台風の発生数は増加していないようです。

それでは、台風の勢力はどうでしょうか?

地球温暖化と台風の関係については、現時点では、地球温暖化の影響が台風の大きさや強さに及んでいると結論付けることはできません。

台風の年間発生数に対する、最大風速が毎秒33m以上の「強い」勢力を持つ台風の発生割合は、1970年代後半から80年代後半にかけて増加傾向にありましたが、80年代後半をピークに90年代後半まで減少傾向が続き、2000年代になって再び増加に転じています。

このような動向は10~20年程度で増減するものであり、地球温暖化による気温の上昇傾向と明瞭な相関があると言うことはできません。
-国土交通省

ということです。

今の時点では、はっきりと地球温暖化のせいで台風の被害が大きくなっているとは言えないようですね。

今後、地球温暖化が進むとどうなる?

それでは、将来的にはどうなっていくのでしょうか?

海洋研究開発機構JAMSTECの研究によると、全球雲解像モデル「NICAM」とスーパーコンピュータ「京」を使った全球シミュレーションによって、以下のことがわかりました。

将来気候では、地球全体で平均した台風の発生数は22.7%減り、強い台風は6.6%増えることがわかりました。これは先行研究と一致する結果ですが、今回はさらに、同じ中心気圧の台風ならば平均風速が秒速15mを超える強風域が10.9%拡大することが新たにがわかりました。
-地球温暖化で台風が大型化、今後も増え続ける?

 

また、このような報告もあります。

地球温暖化が進めば、海洋からの蒸発が盛んになり、より大量の水蒸気が大気中に蓄えられます。

ひとたび熱帯低気圧が発生すれば、より多くの水蒸気がある場合、より強い熱帯低気圧に発達しやすくなります。

IPCC第5次評価報告書では、21世紀末の温暖化が進んだ世界では全球的には、熱帯低気圧全体の発生数は減少または変化しないものの、強い熱帯低気圧の発生数は増加し、その最大風速や降水強度が現在より増加する可能性が高いと報告されています。
温暖化の影響 Q2 台風やハリケーンによる被害の増加は温暖化の影響?(地球環境研究センター)

過去の熱帯低気圧の変化に対して、人間活動がどのように影響しているのか不明点はまだまだ多いようですが、将来的に温暖化が進めば、強い台風が増加する可能性が高いと言われています。

 

また、このような想定もされています。

≫「スーパー台風」の高潮 東京・大阪・名古屋で甚大被害の想定(NHK)

中心気圧が910ヘクトパスカル以上の非常に強い「スーパー台風」が発生した場合の、被害想定です。

今後はこのような大きな台風に備えることが、必要になってきそうですね。

地球温暖化を止めるためにできる身近な対策

地球温暖化が進むと、台風の大きさにも影響が出るだろうということがわかりました。

大きな台風に備えることが現状、打てる対策ですが、それでは根本的な解決にはつながりません。地球温暖化が進めば、台風のほかにもさまざまな悪影響が予想され、このままでは地球で快適に暮らしていくことができなくなります。

ということで、さいごに個人でもできる地球温暖化対策をまとめました!

ぜひこれを参考に、小さなことから取り組んでみてください。

消費電力を減らそう【省エネ】

一般家庭でもっともCO2を排出している項目は電気なんだそう。なので、個人でCO2削減に取り組むなら、まずはカットできる電力に注目しましょう。

  • エアコンの設定温度を夏は1℃上げる、冬は1℃下げる
  • できるだけ同じ部屋で集まって過ごす
  • 照明やテレビはこまめに消す
  • コンセントを抜いたり主電源を切り待機電力をカット
  • 炊飯器の保温をやめる
  • LEDや省エネ家電を選ぶ

気にかけてみると、日常のなかで消費している無駄な電力が見つかると思います。無理のない範囲で、電力カットに取り組みましょう。

電球が切れた時や、家電の買い替え時には省エネ製品を選ぶことで、大幅にエネルギーの削減ができます。製品選びの時に、省エネもチェック項目に追加しましょう。

環境にやさしい製品を使おう【省資源】

最近では、スーパーやドラッグストアでも環境にやさしい製品を選ぶことができます。

  • エコマークの付いた商品を選ぶ
  • ゴミの削減につながる商品を選ぶ
  • 省エネできる商品を選ぶ

エコマークは、環境保全に役立つと認められた商品につけられるマークです。

エコマークは、様々な商品(製品およびサービス)の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。このマークを活用して、消費者のみなさんが環境を意識した商品選択を行ったり、関係企業の環境改善努力を進めていくことにより、持続可能な社会の形成をはかっていくことを目的としています。-エコマークについて

エコマーク

エコマーク事務局HPより

このようなマーク一度は目にしたことがありますよね。

また、詰め替え用の商品を選ぶことも、ごみが削減できるので、CO2の削減につながります。

地元のものを食べよう【地産地消】

地元のものを食べることも、輸送にかかるエネルギーの削減につながるのでCO2が減らせます。

わたしは、地産地消が一番楽しく、気軽にできるエコなのではないかなと思っています。

野菜を買う時も、できるだけ地元の野菜を選ぶことで、住んでいる地域にも関心が出てくると思います。自分の住んでいる地域ではどんなものがつくられているのかな?と考えながら買い物するのってけっこう楽しくないですか?

地域を大切にしながら、地球も大切にできる、地産地消。
ぜひ、次の買い物のときは心がけてみてください。

まとめ

できることを”今”しよう!

台風と地球温暖化の関係は…

  • 今の時点では台風被害が地球温暖化と相関があるかは不明瞭
  • しかし、温暖化が進めば台風の威力が高くなる可能性が高い

 

温暖化対策、できることをしよう。

  • 身近なところから温暖化対策をしよう
  • はじめは楽しく気軽にエコ活動

 

地球温暖化と台風の関係については、まだまだ分かっていないことが多くあります。しかし、現時点で予測されていることもあります。

これからも地球で人類が暮らしていくためには、今、手を打っていかなければなりません。

 

今すぐわたしたちができるのは、身近な対策。
多くの人が環境問題に関心を向ければ、いずれそれは企業や政治の取り組みなど、大きな動きにつながっていくことでしょう。

みなさんも、ぜひできることから取り組んでみてください
そして、環境問題に少しでも関心を持ってもらえたらと思います。

参考にした記事

≫台風やハリケーンによる被害の増加は 温暖化の影響?

≫地球温暖化で台風が大型化、今後も増え続ける?

≫「スーパー台風」の高潮 東京・大阪・名古屋で甚大被害の想定(NHK)

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