更新日: 2023.04.22  カテゴリー: 朝ドラ らんまん

らんまん 第14話 3週目「ジョウロウホトトギス」(4) あらすじ&見どころ紹介

連続テレビ小説らんまん 第2週「キンセイラン」見どころ&レビュー

はじめに

こんにちは!
植物が好きで牧野博士に興味のある、元高知県在住ブロガーのかなです。

この記事では朝ドラ「らんまん」のレビューと見どころを紹介していきます。高知に住んでいた自然好きならではの視点で、らんまんをより深く楽しめる情報を発信していけたらと思っています!

これからドラマを見る方も、もう一度見る方も、この記事を読んで朝ドラをもっと楽しんでもらえるとうれしいです。

今回は、第3週目の「ジョウロウホトトギス」(4) のレビューです。

らんまん 3週目「ジョウロウホトトギス」(4) の概要

万太郎(神木隆之介)は、旅の最大の目的である博物館を訪問。憧れの植物学者、野田基善(田辺誠一)と里中芳生(いとうせいこう)に出会い、大きな刺激を受けるのだった。

らんまん – NHK

放送日:2023年4月20日

出演者:神木隆之介(槙野万太郎)、志尊淳(竹雄)、佐久間由衣(槙野綾)、久野雅弘(博物館事務員)、赤木悠真(定吉)、倉嶋かれん(キヨ)、栗田桃花(ミツ)、田辺誠一(野田基善)、いとうせいこう(里中芳生)

あらすじ

東京に来た一番の目的は、博物館を訪れること。ずっと会いたかった野田先生、里中先生に会えて感動する万太郎。自分がやりたかったことは「植物分類学」だったのだと気づきます。まだ、日本の植物学は発展途上であり、標本も数も足りなければ、学名がついていない植物も発見されていない植物もたくさんあることを知ります。一方で竹雄は、峰屋から離れていってしまいそうな万太郎に、複雑な思いでした。

お話の流れとレビュー

ここからは、お話の流れに沿ってレビューしていきます。感想がネタバレになっちゃうかもなので、見たくない方は、次の見どころ紹介までスキップしてください。

らんまん 3週目「ジョウロウホトトギス」(4)

博物館に訪れる

東京の旅の一番の目的、博物館に訪れます。

心の友に会いたくて会いたくて、来たのですがとっても緊張している様子。

小学校の時に書き写した博物図を見つめ、来てよかったのか自問しますが、意を決して、部屋に入ります。

事務員さんに案内され中に入ると、そこには数々の植物を押し葉にしたもの(標本)を作っている様子を目のあたりにします。

植物分類学との出会い

標本を作る様子を興味深そうに見学する万太郎。そこへあらわれたのは、野田先生。

眠そうな野田先生は、誰かおもしろい話か、ときめく話をしてくれと言いますが、その場にいる人たちはみんな反応しません。

それを見て、万太郎はギンバイソウの標本を拝借し、わし、山で見かけるといつもときめきます。と言います。

万太郎は、草木図説と照らし合わせるのに、何度も山を登っていたのに、ここではいつでも見られるのですねと、感動します。

それが標本のいいところだよ。
植物を乾燥させて貼り付ける。植物の名前を検定するには、いくつもの場所のいくつもの標本を参照せねばならん。
しかし、こうしておけばいつでも取り出せるし、重ねておいておけるから大量に保存できる。

目の前の標本の植物が分からない万太郎に、野田先生は顕微鏡を使って植物の違いの見分け方を実演します。タマアジサイ、ヤブデマリの大きな違い、花びらの形を観察しました。

顕微鏡も初めて見る万太郎は、歓声をあげます。

標本には、ラベルを付けなくてはいけません。野田先生は、スラスラとラテン語で学名を記します。

タマアジサイは和名。この日本国内だけしか通用しない名前だ。だが、植物の名前は万国共通のものにしなければならない。でないと、同じ植物がどこに生えているかわからないだろう。

ラベルの最後に書かれたシーボルトの名前について尋ねました。

この植物を付けて名前を付けた人だ。
この植物を名付けて発表した人が、永久に残される。

部屋にある数々の標本を確認して、シーボルトの名前があることに驚く万太郎。日本人はまだまだ自国の植物を知らないのです。

最近も最近、この国もまさに今始まったばかりなんだ。
日本は島国で自然が豊かだ。シーボルトが調査できたのもごく一部。

世界から見ればこの国の植物は、まだ学名も付けられていなければ、発見されてもいないものがたっくさんあるんだよ!

目を輝かせる万太郎。

いや~、このシーンはとってもワクワクしました!
これから、日本の植物学が発展していく、たくさんの植物を発見できる、そんな未知の世界が広がっているのです!知的好奇心が掻き立てられまくりますね!

万太郎が見つけた植物は新種かもしれない⁉

先生はたくさんの植物を知っているはずと、万太郎は横倉山で見つけたジョウロウホトトギスの植物図を見てもらいます。しかし、野田先生も見たことない植物だそう。

新種かもしれないことを知ります。

え!新種やったらどうなるがですか!?

誰かが名づけ親になって、世界に発表する。

だが、名付け親になるのは容易ではないぞ。なんせ、万国共通の名前をつけるんだからな。発表は英語で論文を書いて、雑誌に載せる。

ただ実際、今の日本では名付け親になれる人材はいない。
日本では植物を検定しようにも、比較するための標本の数が圧倒的に足らない。

※ここでいう雑誌とは、コンビニに並んでいるような雑誌ではなく学術雑誌のことです。学術雑誌には論文が掲載されています。植物学専門の雑誌もあります。

今のところ、日本には植物の名付け親になった人間はいないのだそう。

万太郎はワクワクが抑えきれないような表情です。自分が名付け親になろうと思っているような表情にも感じました。

植物分類学との出会い

今、日本には植物の標本が全然足りていない状態。植物分類学を打ち立てるべく、標本を大急ぎで集めているそうです。

植物分類学というのは…

植物を見つける、識別し、分類する。新種なら、それに名前を付ける。

わしがこれまでやってきたこと、やりたかったことは、植物分類学いう学問やったがですね!!

万太郎は、やっと自分がやりたかったことが「植物分類学」として、世の中に存在することを知るのでした。

自分の使命に気づくこの瞬間、霧が晴れていくようなこの気持ち、嬉しいと言うかワクワクというか、良いですよね…!「わし、この花の名前が知りたい!」といった、幼少期のシーンを思い出してしまいました。

心の友にやっと会える

今まで話していた人が野田基善だとわかった万太郎は、荷物から博物図の写しを出して、ずっと会いたかったのだと伝えます。

こんなに、こんなにうれしいことはない…!

先生…!!!

ずっと会いたいと思い続けた万太郎も、遠い土佐の国に自分の思いが届いていたことを知った野田先生も感涙。抱き合って心の友に会えたことを喜ぶのでした。

そこへ、里中先生も部屋に入ってきました。

手にはサボテンを持っています。異国にはこんな植物があるのかと万太郎は驚きます。

草のことは遊びだと言ってほしい竹雄

東京にはこんな大人たちがいたんだと、満足そうな表情の万太郎です。

しかし、竹雄は複雑な気持ち。中庭から、万太郎が野田先生と植物のことで盛り上がり、抱き合い、熱く語っている姿を見てしまったからです。

ずっと彼をそばで見ていた竹雄は、万太郎が植物の世界に行きたがっているのがわかるのでしょう。

若、いかんですき!
こんなのは遊びですき。草のことは、遊びです。
言うてください!酒造り以外遊びじゃと!

違う…、言えるわけないろうが…!

竹雄の真剣なその言葉に、万太郎もつい熱くなってしまいます。

ここまでが、14話でした。竹雄とケンカするような形となってしまいましたが、これからどうなるのでしょうか?峰屋と植物、万太郎はどちらを選ぶのでしょう。

見どころ紹介

標本とは

植物標本のポストカード

博物館を訪れた万太郎は数々の植物の標本を見て感動しました。

標本は、作って保管しておくことで、いつでも植物を参照し調べることができるので、植物の研究にはなくてはならないものなのです。

植物の標本には「押し葉標本」「果実標本」「液浸標本」などがあります。押し葉標本は、腊葉(さくよう)標本とも呼ばれ、最も一般的なものです。植物を乾燥させて、ラベルを付けて台紙に貼り付けます。

物語に出てきていたのも、押し葉標本でしたね。

万太郎のモデル牧野富太郎博士は、数多くの植物標本を収集したことでも有名で、なんとその数、約40万枚といわれています。

博物局の先生

万太郎が心の友と慕い、念願かなって会うことができた野田基善先生。実は、これ牧野博士の実話に基づいたエピソードなのです。そのため、野田先生のモデルになった人物がいます。

その人物は、小野職愨(もとよし)さん。
本草学者である小野職孝(もとたか)が父で、『本草綱目啓蒙』の著者 小野蘭山が曾祖父という、学者の家に生まれました。

文部省博物局に勤め、「日本の博物館の父」と呼ばれる田中芳男 (らんまん 里中芳生のモデル) の元で、植物学の教育のため教科書の翻訳などを行いました。

牧野博士にとっても東京での出会いは大きなもので、土佐に帰ると精力的に植物採集を開始するのでした。

植物分類学

植物分類学(Plant taxonomy)は、植物学の一分野であり、様々な植物を発見、記載、命名し、それらの持つ情報を体系的に整理する学問です。生物の多様性を理解し、植物相の保全や利用に役立てるために重要な役割を果たしています。

植物分類学は、他の多岐にわたる植物学の分野とも密接に関係しており、基礎ともいえる重要な分野です。

万太郎のモデル、牧野博士は日本の植物分類学の基礎を築いた研究者なのです。

まとめ

自分がやりたかったことは「植物分類学」だったのだと気づいた万太郎、それに対し、峰屋から万太郎が離れていってしまうのではないかとつい強くあたってしまった竹雄でした。

次回は、東京最終日です。

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関連書籍

NHK連続テレビ小説 らんまん 上 NHK出版

牧野富太郎自叙伝 講談社学術文庫

それでは、次回の記事もお楽しみに!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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