更新日: 2023.04.17  カテゴリー: 朝ドラ らんまん

らんまん 第10話 2週目「キンセイラン」(5) あらすじ&見どころ紹介

連続テレビ小説らんまん 第2週「キンセイラン」見どころ&レビュー

はじめに

こんにちは!
植物が好きで牧野博士に興味のある、元高知県在住ブロガーのかなです。

この記事では朝ドラ「らんまん」のレビューと見どころを紹介していきます。高知に住んでいた自然好きならではの視点で、らんまんをより深く楽しめる情報を発信していけたらと思っています!

これからドラマを見る方も、もう一度見る方も、この記事を読んで朝ドラをもっと楽しんでもらえるとうれしいです。

今回は、第2週目の「キンセイラン」(5) のレビューです。

らんまん 2週目「キンセイラン」(5) の概要

新設された小学校に通い始めた万太郎(小林優仁)だが、授業がつまらなくてしかたがない。授業を聞かずに植物図や校庭の草花に夢中になって先生に叱られた万太郎は…

らんまん – NHK

放送日:2023年4月14日

出演者:神木隆之介(槙野万太郎)、志尊淳(竹雄)、小林優仁(槙野万太郎 幼少)、高橋真彩(槙野綾 幼少)、南出凌嘉(竹雄 幼少)、岩田琉生(広瀬祐一郎)、齋藤潤(堀田寛太)、谷川昭一朗(校長)、宇井晴雄(先生)、寺脇康文(池田蘭光)

あらすじ

先生の池田蘭光、同級生の広瀬祐一郎と課外授業に出た万太郎は、とても珍しいキンセイランに出会い感動するのでした。同級生の祐一郎は小学校へは行かず、東京に出て書生になると別れを告げます。東京へ行ったときには連絡すると約束し、万太郎は、姉の綾や幼馴染の寛太と新しくできた小学校に通い始めます。しかし、いろはから始まる小学校の授業は万太郎にとってつまらないもので、博物図に夢中になっています。ついには先生に怒られ、勉学はどこでもできると小学校を中退することになったのでした。

お話の流れとレビュー

ここからは、お話の流れに沿ってレビューしていきます。感想がネタバレになっちゃうかもなので、見たくない方は、次の見どころ紹介までスキップしてください。

らんまん 2週目「キンセイラン」(5)

蘭光、祐一郎と課外授業へ出かけた万太郎

蘭光先生と最後の授業に出た万太郎たちは、河原で自分たちの釣った魚を晩ごはんにしました。

火を囲みながら、祐一郎は自分の境遇を万太郎に打ち明けます。

わしはもう、家督を継いぢゅう。10歳の時じゃ。父上がのうなってのう。
わしが母上と弟を養わんといかんけんど、高禄ものうなったき、家の者に暇を出して、家財を売って…。

おまんとはいつかこういう話、したいと思うちょった。

勉強に夢中で万太郎は、祐一郎のことを何も知らなかったのです。もっとこういう話がしたかったとこぼす祐一郎。2人は、少し仲が深まったようでした。

おまんは怖うないがか?
母上と弟はわしが学業を得るがを待ちゆう。わしはこの先応えられるじゃろうか。

わしは…、これまでそんなこと…。

名教館を去っても学びは続くぞ?
自分が何者か、人はそれを探していく。学びはその助けになる。世の中は変わり続けゆうけんど、だが、いたずらにふりまわされてはいかん。道を選ぶがは、いつも己じゃ。

自分で道を選んで進んでいくことの大切さを説く蘭光先生でした。

キンセイランを発見

夜が明けて、帰路につくとき、万太郎は山道で初めて見る植物を見つけました。

おまんは…。キンセイラン…!
ゾクッと来たき。なんてきれいながじゃ。
先生の言うた通りじゃ、文字では心は震えんかったに。

心が震える先にある金色の道を歩いていったらえい。そう伝える先生でした。

この1泊2日で体験することの大切さを教えてくれた蘭光先生でした。最後にふさわしい、最高の授業でしたね。先生が伝えたかったこと、全身で感じとる万太郎と祐一郎の未来も楽しみです。

佐川小学校開校

政府の方針で、全国に小学校が開校しました。これからは、女子も通い、学ぶことができます。姉の綾も一緒に通います。

おなごもやっと、学校に行けるがやねぇ。

綾はとても嬉しそうです。

竹雄も小学校に通えるはずですが、峰屋の仕事があるとお弁当を渡し去っていきました。

万太郎は、祐一郎も小学校へ通うものと思っていましたが、彼は東京の親戚の元で書生をやることに決めたそうです。

東京に来たらいつでも知らせをくれ、そう伝えて祐一郎は出発しました。

名教館とはまるで違う小学校

おなごがおる!とそわそわ、ウキウキしている寛太と、小学校は名教館とは全然違うと話します。

しかし、小学校の授業はいろはから始まり、万太郎にとっては退屈なものでした。そんな、万太郎は授業そっちのけで「博物図」に夢中になります。

先生の言うことが聞けないなら外に出ろと言われるがままに、廊下に出て博物図を書き写し始めるのでした。

授業がつまらなくて、小学校を中退してしまう

博物図の作者である「里中芳生」「野田基善」の名前まで写し終えた万太郎は、感謝の言葉を述べ、庭の植物を改めて観察するのでした。博物図で学んだ後なので、新しい発見がいっぱいです。

授業は全く聞かず、外で植物に話しかける万太郎を見かねた先生は万太郎に説教をします。皆の気が散る。わからないことがあるなら聞け、というのです。

Studiyng here is boring. I want to learn something more interesting.
Why can’t I read the book I like? I’m serious about wanting study, we are not learning in school. I want to learn more ! Sir, What should I do ?

私にはこの勉強は退屈です。もっとおもしろいことが知りたいがです。なんで、好きな本を読んだらいかんがでしょうか?私は学びたいと真剣に思うちゅうがです。小学校の勉強では物足りん、もっと学びたいがです!先生、私はどうしたらえいがですか?

英語で先生をまくしたてる万太郎ですが、寛太以外は誰も何を言ってるのかわかりません。寛太はクスクス笑いますが、教室中がざわざわしています。

おまえは先生のことを馬鹿にしているのか?出ていけ!という先生に、ほんなら辞めます、とあっさり出ていく万太郎でした。

校長先生にも小学校中退になるぞ、と引き止められますが、

勉学はどこでも続けられる。わしの先生がそう教えてくれましたき。

といって、学校を飛び出していってしまいました。

金色の道はどこじゃろうか?

いつもの神社に寝転び、押し花にしたキンセイランを眺めながら、万太郎は静かに自分の進路を考えるのでした。

数年後、万太郎はすっかり青年になりました。春が訪れ、母のヒサ、天狗に思いをはせます。

見どころ紹介

キンセイラン 学名 Calanthe nipponica Makino

深い山の林内に生えるラン科の多年草です。6~7月に花茎をのばし、黄色い花を5~12個付けます。とても貴重な植物で、環境省レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。もともと珍しい植物ですが、近年では園芸目的の盗掘などで数を減らしています。

キンセイランは牧野富太郎博士が37歳の時に学名を発表しています。キンセイランという名前は和名としてあったのですが、世界共通の「学名」は、牧野博士が発表したのです。

牧野博士も幼少期夢中になった博物図

出展:国立公文書館デジタルアーカイブ

万太郎が小学校の授業そっちのけで夢中になっていたのは「博物図」。牧野博士も小学校時代に夢中になっていたそうです。

この博物図は文部省が作ったもので、銅板の輪郭線に木版で色が付けられています。植物以外に動物の図もあります。牧野博士が小学校に在学していた頃、4枚の博物図が学校に来て、喜んでこれを見て学んだそうです。

その第一面が植物学的の事柄で、葉形やら根やら花やらなどの事が出て、その第二面には種々の果実ならびに瓜の類が出ており、その第三面には穀類、豆類、根塊類が出て、その第四面には野菜の類、海藻類、菌類が出ていた。

牧野富太郎自叙伝

物語の中で、万太郎が書き写した2人の名前も気になります。文部省「里中芳生」「野田基善」とアップで写りました。

牧野富太郎博士は19歳の時、農商務省博物局に田中芳男、小野職愨(もとよし)らを訪ねています。名前からしておそらくこの2人が、らんまんの里中芳生と野田基善のモデルになっているのでしょう。

万太郎もこの博物図を描いた2人に会うことになるのでしょうか…?

小学校を中退、独学の道へ

いろはから始まる授業に退屈した万太郎は、小学校を辞めてしまいます。実はこれも牧野博士の実話なんです。

~ 小学校が出来たのでそれに入学したが、それが私の十三歳の時であった。この時私は既に小学校以上の学力を持っていた。それは上の名教館で稽古したからであった。

牧野富太郎自叙伝

数え年で書かれているので12歳の時のことです。名教館で学ぶことはレベルが高く、小学校の授業とは比べものにならなかったのでしょう。

せっかく下等の一級まで進んだが、嫌になって退校してしまった。

牧野富太郎自叙伝

牧野博士は、わずか2年程で小学校を辞めてしまいます。その後は、独学で植物学を学んでいくことになりました。

牧野博士は子どもの時から英語ができた?

第10話では、万太郎が英語で小学校の先生に話しかけるシーンが印象的でしたが、モデルの牧野博士もこのように英語が話せたのでしょうか?

故郷佐川に英学が入ってきたときのことが、自叙伝にありました。

~ そして高知から英学の先生が二人雇われてきた。その中の一人を長尾長といい、他の一人を矢野矢といった。二人とも似たような珍な名の先生であった。この二人はABCから教えてくれた。だから私はかなり早くから英学を習った。これは新知識を開くに極めて役立った。

牧野富太郎自叙伝

研究を進めるにあたり海外の植物学の知識を得るには、英語ができることは必須でしょう。早くから英語に親しんでいたことも、牧野博士の植物学の基礎を支えていたのですね。

まとめ

蘭光先生との課外授業で大切なことを学んだ万太郎。万太郎の知的好奇心は、小学校の枠には収まらず中退することになりました。時は経ち、自分の道を選んだ万太郎はこれからどんな世界を見つけるのでしょうか…?

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関連書籍

NHK連続テレビ小説 らんまん 上 NHK出版

牧野富太郎自叙伝 講談社学術文庫

それでは、次回の記事もお楽しみに!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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