らんまん 第1話 1週目「バイカオウレン」(1) あらすじ&見どころ紹介

はじめに
こんにちは!
植物が好きで牧野博士に興味のある、元高知県在住ブロガーのかなです。
この記事では朝ドラ「らんまん」を見たレビューと見どころを紹介していきます。高知に住んでいた自然好きならではの視点で、らんまんをより深く楽しめる情報を発信していけたらと思っています!
これからドラマを見る方も、もう一度見る方も、この記事を読んで朝ドラをもっと楽しんでもらえるとうれしいです。
今回は、第1週目の「バイカオウレン」(1) のレビューです。
1週目「バイカオウレン」(1) の概要
春らんまんの明治の世を天真爛漫に駆け抜けた植物学者・槙野万太郎(神木隆之介)の物語はいよいよスタートします!!
らんまん – NHK
放送日:2023年4月3日
出演者:神木隆之介(槙野万太郎)、森優理斗(万太郎幼少期)、太田結乃(槙野綾)、広末涼子(槙野ヒサ)、松坂慶子(槙野タキ)、井上涼太(竹雄)、菅原大吉(豊治)、小松利昌(市蔵)、石村みか(ふじ)、綱島郷太郎(堀田鉄寛)、嶋尾康史(虎松)、清水伸(紀平)、坂口涼太郎(伸治)、中村里帆(たま)、倉嶋かれん(キヨ)、栗田桃花(ミツ)、横井仁(堀田寛太)
あらすじ
主人公は、佐川の造り酒屋の跡取りである万太郎。この日は「甑倒し」といって、お酒の仕込みが終わったことを祝う、造り酒屋にとって大切な日です。万太郎もこの日を楽しみにしていました。お祝いのごちそうの中に山椒餅を見つけた万太郎は、走って友達の家に向かいますが、体の弱い万太郎は倒れてしまいます。大切な日に寝込んでしまい、楽しみにしていた祝宴にも出られませんでした。そんな万太郎の陰口をいう分家の豊治の言葉を聞いて、万太郎はひどく落ち込んでしまいます。
お話の流れと感想
ここからは、お話の流れに沿ってレビューしていきます。感想がネタバレになっちゃうかもなので、見たくない方は、次の見どころ紹介までスキップしてください。
らんまん 1週目「バイカオウレン」(1)
甑倒し(こしきだおし)
第1話は、万太郎が生まれ育った酒屋「峰屋」の大切な一日、「甑倒し」の日から始まります。
「甑倒し(こしきだおし)」とは、半年間お酒の仕込みとして米を蒸していた「こしき」を片付け、仕込みが終わったことを祝う日です。
今年も甑倒しと相成りました。半年間もろみの仕込み、ごくろうさんでした。
今日は仕込みの総仕上げ、よろしゅうたのみます。
みな、よろしゅう!
みんな一年に一度のこの日はとても気合が入っているように見えます。甑の片付けの作業をする人たちも、ごちそうを用意する人たちも忙しそうです。
甑倒しは酒屋にとって、まさにハレの日。バタバタとしながらも、お祭りのような雰囲気はとてもいいですよね。
ウキウキの万太郎と心配する姉
ねぇ、おかあちゃん!菓子もあるろうか?
堀田のかんちゃんにやるゆうて、ゆうてしもうたき。
万太郎、今日は家中忙しいき、いたずらしたらいかんぞね。
甑倒しは万太郎も楽しみにしていた一大イベントでした。お目当ては、おいしいごちそう。ウキウキしながら母に話しかけます。居ても立っても居られない感じです。母はそんな万太郎を優しく見守っています。かんちゃんは、万太郎の仲良しな友達でしょうか?
万太郎と入れ違いで母の部屋に訪れた姉の綾はこう言います。
なぁ、おかあちゃん?万太郎はなんでああながやろ?
すぐ熱だすくせに、じっとしておれん。よわーいくせにやりたがり。どれば心配かけちゅうがか、わかってないがよ。
不満そうな姉の綾ですが、万太郎を心配している優しさが感じられます。ハキハキした挨拶、病床の母への気遣いにも、しっかり者の綾の性格が伝わってきますね。
走って倒れてしまい、祖母に叱られる
走るなとみんなに言われながらも、嬉しさが抑えきれず、万太郎は寛太の家まで走ってきました。
かんちゃん!来たで!
寛太の名前を呼ぶなり、その場で倒れてしまいます。
まんちゃん!
おぉ、万太郎!大丈夫かえ!?
寛太と寛太の父で医者の鉄寛は、万太郎に駆け寄ります。
家に運ばれ目を覚ますと、お医者さんや家の人、おばあさんが万太郎を囲んで心配そうです。
おまんはどういて走ったが?
そうやち、みんなぁ走りゆうよ?
おまんはみんなぁと違う。えいき、寝よりなさい。
…。ごちそうは?
楽しみにしていた祝宴に参加できずに万太郎はとても悲しそうです。
ヒサは病床につき、孫の万太郎も病弱で、心配して叱りたくなるおばあさんの気持ちもわかりますが、走ってはダメと言われるのは、好奇心旺盛な万太郎にとってとても辛いことだと思います。
万太郎を良く思わない分家の人たち
万太郎の家、槙野家は佐川領主の御用係を務め、名字・帯刀を許されていました。また、酒屋の中でも最も由緒ある家のひとつでした。
この時代、本家と分家の違いは大きなもの。分家の人たちも、本家の跡取り息子に複雑な思いを抱いていたのでしょう。そんな様子は、甑倒しの宴会の場でも垣間見えます。
おい、万太郎が見えんが?
あいつ、また倒れよったぞ。
またか、なんぎじゃのう。
本家のご当主が顔も見せんと…。
ただでさえ、酒蔵をしきっちゅうががばあさまじゃ。この先、あのよわみそが…。はっはっは
豊治!なんてゆうた?
分家の分際でなんてゆうた!もういっぺんゆうてみい!!
孫の万太郎を悪く言われ、おばあさんはとても怒っている様子。
わしらも案じゆうがじゃ。もっとわしらに頼ってくれても…
いらん世話じゃ!
おまんらがいくら案じてくれよったち、所詮分家じゃ。
はっきり言うちょく。おまんらがいくら束になろうが、万太郎ひとりにはかなわん!
万太郎をひどく言うなんて豊治も意地悪だけど、そこまで言わなくても…。タキのきつい口調に、峰屋と万太郎をとても大切に思い、懸命に守っていることが伝わってきます。
幼い万太郎は、由緒正しき峰屋と人々の期待や羨望、とても大きなものを背負っているようです。
陰口を聞き落ち込む
ばあさん、意固地になりよって。分家はみんなぁ、ゆうけんど。
峰屋の跡取りやったら、うちの伸治の方がよっぽどえい。
まんのじは、どうせ長ごうは生きられん。ばあさん、目を背けちゅうだけじゃ。
いっそ、まんのじは生まれてこん方が良かったな。
タキにきつく言われた豊治は不満そうに陰口をたたきます。それが聞こえてしまった万太郎は…。
と、ここまでが第1話です。
見どころ紹介
故郷佐川は造り酒屋のまち
お話の舞台となっているのは、高知県佐川町。物語と同様、造り酒屋の町なのです。
万太郎のモデルの牧野富太郎も、佐川町出身。造り酒屋の跡取り息子で、おばあさんに大切に育てられたのも同じです。

佐川町は清流「仁淀川」の中流域に位置し、古くからお酒造りが盛んでした。高知を代表する地酒の一つ「司牡丹」の蔵元があるのもこの地域です。
司牡丹のWebサイトには、牧野博士との関係についても書かれていました。
「植物の父」「世界のマキノ」と称された日本植物学会の巨人・牧野富太郎博士の生家は、屋号を「岸屋」と称し、代々佐川の地で酒造りを営んでいました。明治の中頃、牧野博士はこの酒蔵を人手に譲り上京し、植物研究に生涯を捧げます。その後、この酒蔵は司牡丹酒造に譲られますが、昭和中頃の台風で大半が倒壊し、一棟を残すのみとなっていました。この一棟は、牧野博士の勉強部屋であった建物らしく、長らく「牧野蔵」として町民に親しまれてきましたが、平成16年の連続台風にて残念ながらこれも倒壊してしまいました。
司牡丹 公式WEBサイト
そんな司牡丹酒造から、新しく牧野博士にちなんだお酒が発売されています。
原料に、高知県産の永田農法で育てられた「山田錦」と高知県産「吟の夢」を使用した、華やかな香りの純米酒です。「草をしとねに 木の根を枕 花と恋して九十年」という、牧野博士が詠んだ歌が名前の由来になっているそうですよ。
土佐のごちそう
第1話はごちそうも見どころのひとつ。高知県では宴会を「おきゃく」と呼び、大きな皿鉢に盛った「さわち料理」で豪華にお祝いします。作品にもたくさんの料理がのった皿鉢が登場していましたね。
その中にも、大きな鯛に何やら黄色いものがかかった料理がありました。こちらは「蒸し鯛」という高知の郷土料理です。
鯛のおなかにおからを詰めて蒸した料理です。お祝いの席ではなくてはならない大切な料理なのですが、近年では手間がかかるため家庭ではあまり作られなくなっているそうです。
たしかに、私も高知に数年間住んでいたことがあり、おきゃくも何度も参加したことがありますが、こちらは食べたことがありません。仕出し店などで作られているようなので、また高知を訪れたときに食べてみたいと思います。
他にも、皿鉢に「イタドリ」があったり、佐川の名産の「山椒餅」は「サルトリイバラ」で包まれていたりと、高知らしさが随所に感じられました。
ぜひ、ごちそうにも注目して見返してみてくださいね。
万太郎のモデル牧野富太郎も身体が弱かった?
万太郎は咳き込んだり熱を出して倒れたりと、身体が弱い設定ですが、実はモデルの牧野博士も幼少期は丈夫じゃなかったそうです。
自叙伝ではこう語られています。
祖母が私を育てましたが幼い頃は大変に体が弱かったそうです。(中略) クサギの虫、また赤蛙を肝の薬だといって食わされ、また時々痛いお灸をすえられました。私が酒屋の跡襲き息子、それはたった一人生まれた相続者であったため、とても大事にして育ててくれたらしいのです。
牧野富太郎自叙伝
そんな牧野博士でしたが身体が弱かったのは幼少期だけで、晩年まで心身ともに健康そのもの、とても元気に活動されていました。本人曰く、草木に向かい楽しく野山を駆け巡ることが健康につながったということです。
きっとらんまんの万太郎も、元気に植物を追い求め、野山を駆け巡るようになるのでしょう。
まとめ
主人公万太郎の好奇心旺盛な姿、酒屋の跡取り息子として大切にされている様子が描かれていた第1話でした。一方で、身体が弱く人とは違うということを気にして傷つく万太郎。2話目以降の万太郎の心情変化が楽しみです。
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それでは、次回の記事もお楽しみに!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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